結論から書きます。広島県の宮島(厳島)の島内には、キャンプ・バーベキュー・海水浴ができる場所が、いまはありません。長く使われてきた「包ヶ浦(つつみがうら)自然公園」が、2024年3月末で休園したためです。この頁では、何がどう変わったのか、跡地で何ができて何ができないのか、将来また使えるようになる見込みはあるのか、そして代わりにどうするかを整理します。
なお「宮島キャンプ場」で検索すると 岐阜県中津川市の「付知峡 宮島キャンプ場」 が混ざって出てきます。こちらは営業している別の施設です。この頁で扱うのは 広島県廿日市市の宮島(世界遺産・厳島神社のある島) のほうです。
広島の宮島にキャンプ場は無い
宮島島内でキャンプができた施設は、包ヶ浦自然公園がただ1つでした。宮島桟橋から東におよそ3キロの海辺にあり、キャンプ場・宿泊棟・海水浴場・テニスコートなどを備えた市営の自然公園でした。
この公園は 令和6年(2024年)3月31日をもって休園しました。廿日市市の告知によれば、指定管理期間の満了を機に休園し、令和6年4月1日以降は園内にある有料施設を閉鎖しています。宮島観光協会も2025年7月に、バーベキュー場・キャンプ場・海水浴場について「閉鎖した」と案内を出しています。
跡地でできること・できないこと
「閉鎖」と聞くと敷地に入れないように思えますが、そこは分けて考える必要があります。
| いまの扱い | |
|---|---|
| キャンプ | できません |
| 宿泊(宿泊棟) | できません |
| バーベキュー | できません |
| 海水浴 | できません |
| 入浴施設・テニスコート | できません |
| 公園内の散策・海浜 | できます |
| 元の建物への立ち入り | できません(老朽化のため立ち入り禁止) |
つまり 「歩くだけならできるが、泊まる・焼く・泳ぐはできない」のがいまの状態です。閉鎖されたのは有料施設で、公園の敷地そのものは散策できます。ただし建物は老朽化していて立ち入り禁止になっているため、「空いている施設を勝手に使う」こともできません。
跡地や浜辺で個人的にテントを張る、火を使う、といった使い方も想定されていません。宮島は島全体が世界遺産の構成資産と自然公園に関わる区域で、市も観光協会も跡地でのキャンプ・バーベキュー・野営はできないと明示しています。「施設が無くなったから自由に使える」ではなく、「できないことが明示されている」と理解してください。
「キャンプ場がある」という情報が検索に残っている理由
包ヶ浦自然公園は数十年にわたって運営されてきた施設なので、旅行ブログ・地図情報・キャンプ場の予約サイトに情報が残っています。予約サイトの中には、施設名の先頭に「【閉鎖】」と付けて残しているところもありますが、そう書かれていない頁もまだあります。
加えて、休園が決まったのは2024年3月で、そこから数年ぶんの「宮島でキャンプした」という体験記が先に積み上がっている状態です。検索結果の上位に古い記事が残りやすいのは、このためです。施設の情報を見つけたら、更新日を確かめてください。2024年3月より前の記事は、もう現状を表していません。
将来また使えるようになる見込み
ここは動いています。廿日市市は包ヶ浦自然公園の再整備に向けて 専任の「包ヶ浦自然公園利活用推進室」を設け、2026年に 利活用事業者の公募型プロポーザルを公告しました。2026年7月には事業者選定の審査委員会の初会合が開かれ、園内で宿泊施設などを運営する事業者からの提案を審査する段階に入っています。提案の受付は2026年12月11日までとされています。
ただし注意してください。これは「キャンプ場が戻ってくる」という話ではありません。審査の対象になっているのは宿泊施設などの運営提案で、どんな施設になるかは事業者が決まってから固まります。かつてのようなキャンプ場・海水浴場の形で再開する保証はありません。
最新の状況は廿日市市の包ヶ浦自然公園利活用推進室が出しています。旅行の計画に関わる規模の話なら、市の頁を直接確認するのが確実です。
代わりにどうするか
目的によって、取るべき道が変わります。自分がどちらなのかを先に決めてください。
目的が「キャンプそのもの」なら、島を出る
テントで泊まって火を使いたいのであれば、宮島の島内という条件は外すしかありません。宮島口から本土側、あるいは広島県内の他のキャンプ場を探して、宮島観光は日帰りで組む形になります。フェリーは宮島口から約10分と近いので、本土側を拠点にしても宮島には十分通えます。 広島駅からの行き方は 広島駅から宮島への行き方 にまとめています。
本土側の施設については、営業状況や予約の条件が変わりやすいので、この頁で個別の施設名は挙げません。包ヶ浦自然公園の例のように、閉鎖した施設の情報が残っていることがあるため、予約サイトで見つけたら必ず施設の公式の連絡先で営業を確かめてください。
目的が「宮島の夜」なら、島内の宿に泊まる
キャンプをしたい理由が「宮島に泊まって夜と朝を見たい」であれば、島内の旅館・ホテルが答えになります。 夜の宮島の過ごし方は 宮島の花火大会はもう開催されていない にまとめています。フェリーの最終便を過ぎると日帰り客が一気にいなくなり、島に残るのは宿泊者だけになります。大鳥居と社殿のライトアップは日没30分後から午後11時まで続き、静まり返った参道を歩けるのはこの時間だけです。
島内の宿は数が限られていて、料金は対岸より上がります。それでも「宮島の夜」が目的なら、ここは代えがききません。宿の一覧と特徴は 宮島のホテル・旅館完全ガイド一覧|全23宿泊施設の特徴 にまとめています。
もう1つ、島内に泊まる利点があります。朝の島です。観光客が来る前の浜で鹿が採食している姿や、6月・7月の出産シーズンに子鹿が歩く様子は、日帰りの滞在時間ではまず見られません。鹿との距離の取り方は 宮島の鹿の生態|神鹿との共生 にまとめています。
目的が「海辺で過ごす」なら、潮を見て日を選ぶ
海水浴ができなくなったぶん、宮島の海辺の楽しみは「潮」に寄せるのが現実的です。潮が引く時間帯には大鳥居の足元まで歩いて行け、満ちる時間帯には社殿が海に浮かんで見えます。同じ日でも数時間で景色が入れ替わります。
ただし、潮の引き方は日によって違い、1日を通して大鳥居まで歩けない日もあります。行く日にどちらが見られるかは 満潮と干潮で別世界!宮島の潮の見極め方と絶景タイミング で先に確かめてください。海辺で過ごすことが目的なら、日の選び方がそのまま満足度を決めます。
泊まるなら、島内か対岸か宮島の夜と朝を見たいなら、島内の宿に1泊
この記事の結論のとおり、宮島の島内にキャンプ場はもうありません。キャンプをしたかった理由が「宮島に泊まって夜と朝を見たい」なら、答えは島内の宿に1泊です。
日帰りでは、フェリーの最終便を過ぎた静かな参道も、観光客が来る前の浜で鹿が採食している朝の姿も見られません。
島内の宿は数が限られていて、料金は対岸より上がります。それでも「宮島の夜」が目的なら、ここは代えがききません。
費用を抑えたいなら、対岸(宮島口・宮浜温泉)の宿を拠点に、朝の便で渡る形もあります。フェリーは宮島口から約10分です。ただし夜の島は見られません。
6月・7月の出産シーズンなら、朝の島で子鹿が歩く姿に出会えることもあります。行く日が決まったら、空室を先に確かめておくと確実です。
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よくある質問
包ヶ浦自然公園には行けますか?
公園内の散策と海浜の利用はできます。ただし宿泊・キャンプ・バーベキュー・海水浴・入浴・テニスコートの利用はできず、元の建物は老朽化のため立ち入り禁止です。トイレや売店のような設備が使える前提では計画しないでください。
なぜ休園したのですか?
廿日市市の告知では、指定管理期間の満了を機に令和6年3月31日で休園し、4月1日以降は園内の有料施設を閉鎖したとされています。現在は市が再整備の方針を検討し、利活用事業者の公募を進めている段階です。
宮島でバーベキューだけでもできませんか?
できません。島内にバーベキューができる場所は、包ヶ浦自然公園の閉鎖以降ありません。食べ歩きや店での食事に切り替えるか、本土側で場所を探すことになります。
「宮島キャンプ場」を予約できるサイトを見つけました
その施設が 岐阜県中津川市の「付知峡 宮島キャンプ場」ではないか、確かめてください。名前が同じで別の場所です。広島の宮島のほうであれば、それは閉鎖前の情報が残っているものです。予約が取れたように見えても、現地に受け入れる施設がありません。
結局、宮島に行くならどう計画すればいいですか?
「テントで泊まりたい」なら本土側にキャンプ地を取って宮島は日帰り、「宮島の夜と朝を見たい」なら島内の宿に1泊——このどちらかに決めるのが早いです。どちらでもない場合、つまり日帰りで昼だけ回るなら、キャンプ場の有無は計画に関係しません。その場合は潮の時間だけ確かめて、満潮か干潮のどちらを見たいかで到着時刻を決めてください。
まとめ
- 広島の宮島島内に、キャンプ場・バーベキュー場・海水浴場はない(包ヶ浦自然公園が2024年3月末で休園、有料施設は閉鎖)
- 跡地は散策と海浜の利用ならできるが、泊まる・焼く・泳ぐはできない。建物は立ち入り禁止
- 廿日市市が再整備の事業者を公募中(2026年)。ただしキャンプ場として戻る保証はない
- キャンプが目的なら本土側+宮島は日帰り、宮島の夜が目的なら島内の宿に1泊
- 検索で出てくる「宮島キャンプ場」は、岐阜県の同名施設の可能性がある
宮島に来る前に「島でキャンプ」を計画していた方は、予定を「本土側でキャンプ・宮島は日帰り」か「宮島に一泊」のどちらかに切り替えるのが現実的です。どちらを選んでも、宮島そのものは変わらずそこにあります。