宮島のもみじ饅頭(もみじまんじゅう)は、厳島神社へ続く表参道商店街を中心に、老舗から食べ歩きの新顔まで多くの店で買えます。この記事では、島内の13店と、対岸の宮島口の3店を一店ずつ紹介します。元祖は明治39年(1906年)に高津常助が考案した「紅葉形焼饅頭」で、その名を継ぐ高津堂は宮島口にあります。味はこしあん・つぶあんのほか、クリーム・抹茶・チョコ・チーズ、季節限定と、店ごとに違います。
迷ったら、目的で選ぶのが早道です。老舗の定番をお土産にするなら藤い屋・やまだ屋・にしき堂、その場で食べるなら紅葉堂の揚げもみじ、島に渡る前後なら宮島口の店。宮島の店頭でしか出会えない味もあります。下の「目的別の選び方」と「宮島でしか買えないもみじ饅頭」から、気になる店の紹介へ飛べます。
どこで買う?目的別の選び方
老舗の定番をお土産に
- 元祖もみじ饅頭 博多屋:明治初期の創業。もとは杓子の問屋
- 岩村もみじ屋:明治創業。こしあんとつぶあんの2種類だけ
- 津田清風堂:明治41年(1908年)創業
- 紅葉堂 本店:明治45年(1912年)創業
- 藤い屋 宮島本店:大正14年(1925年)創業。手でむいた小豆の「藤色のこしあん」
- やまだ屋 宮島本店:昭和7年(1932年)創業。季節限定を含め約20種類
- にしき堂 宮島店:昭和26年(1951年)創業。もちもちの「生もみじ」
その場で食べる・食べ歩く
- 紅葉堂の揚げもみじ:竹串に刺した揚げたて。あんこ・クリーム・チーズの3種類
- 鳥居屋のもみじ饅頭クロワッサン:当日焼いた分だけで、夕方には売り切れることが多い
- 焼きたてを店内で:岩村もみじ屋・ミヤトヨ本店・藤い屋・やまだ屋
島に渡る前後に、宮島口で
宮島でしか買えないもみじ饅頭
もみじ饅頭そのものは広島のあちこちで買えますが、次のものは宮島の店頭で出会う味です。
- 揚げもみじ(紅葉堂):平成14年(2002年)に紅葉堂が売り出した、もみじ饅頭に衣をつけて揚げたもの。揚げたてを店頭で食べます
- もみじ饅頭クロワッサン(鳥居屋):もみじ饅頭をクロワッサン生地で包んで焼いたもの。作り置きをしない当日焼きのみ
- クリーム抹茶もみじ饅頭(だいこん屋):宮島ではこの店だけで売っている限定品
- 餡なしのもみじ饅頭(佐々木八重子の店):あんこが入っていない珍しい一品
このほか、チーズ入りのもみじ饅頭は昭和59年(1984年)にミヤトヨ本店が初めて売り出したもので、つぶあん入りは岩村もみじ屋が始まりとされています。もみじ饅頭が生まれた経緯はもみじ饅頭の由来にまとめています。
もみじまんじゅうの種類
もみじまんじゅうと一口に言っても、その味の種類は本当に豊富。定番のあんこから始まり、今ではいろんな種類があります。
🍡 あんこ(こしあん・つぶあん)
もみじまんじゅうの王道。こしあんは上品で口当たりが良く、つぶあんは小豆の風味と皮の食感が楽しめます。
🍮 クリーム
ふんわり柔らかなカステラ生地と、とろっととろけるカスタードクリームの相性は抜群です。
🍵 抹茶
こしあんに上質な抹茶を加えた抹茶あんは香り高く、ほろ苦い抹茶の味わいが魅力的です。
🍫 チョコレート
なめらかでコクのあるチョコレートクリーム。濃厚なチョコレートの味わいはチョコ好きにはたまりません。
🧀 チーズ
甘い生地に塩気のあるクリームが良く合います。しっかりとしたチーズの香りで甘さ控えめです。
🌸 季節限定
春はさくらんぼ・桜あん、夏はラムネ・メロン、秋は栗きんとん、冬は芋きんとんなど、季節ごとの味も楽しめます。
もみじまんじゅうの値段の相場
もみじまんじゅうは一般的に1個あたり80円〜150円程度とお手頃。10個入りのセットは1,000円前後で購入でき、お土産にぴったりです。
宮島島内のもみじ饅頭店(13店)
宮島島内には数多くのもみじまんじゅう店があり、それぞれに個性豊かな味わいと魅力があります。老舗から話題の新店まで、おすすめの店舗をご紹介します。
藤い屋 宮島本店
藤い屋は大正14年(1925年)創業で、約100年の歴史をもつもみじまんじゅうの老舗です。もみじまんじゅう三大メーカーの一つと称され、創業当初から守り続ける「藤色のこしあん」は、小豆の皮を一つ一つ手作業でむいて炊き上げる伝統の技法から生まれます。
店内奥には喫茶スペースがあり、焼きたてのもみじまんじゅうをコーヒーや抹茶とともに味わえます。また藤い屋では商品名をすべてひらがな表記の「もみじまんじゅう」としている点も特徴です。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町幸町東浜1129
📞 電話:0829-44-2221
やまだ屋 宮島本店
昭和7年(1932年)創業の和菓子店で、宮島を代表するもみじまんじゅうの老舗ブランドです。定番のこしあん・つぶあんはもちろん、クリーム、チョコ、紅芋など季節限定を含め全20種類もの多彩なもみじまんじゅうを製造・販売しています。
一口サイズのミニもみじ饅頭を抹茶ソースやあんバターソースに付けて味わう「コロコロもみじ」という新商品も人気。店内には焼きたてを味わえるイートインコーナーがあり、予約制でもみじまんじゅうの手焼き体験ができる工房も併設されています。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町835-1
📞 電話:0829-44-0511
にしき堂 宮島店
にしき堂は昭和26年(1951年)創業で、広島県内に複数の直営店を持つもみじまんじゅうの大手メーカーです。広島の風土が育んだ素材にこだわり、「百回試みて、千回改める」という丁寧なものづくりの心で和菓子を作り続けています。
代表商品のもみじまんじゅうに加え、約10年かけて開発した「生もみじ」が大人気。もちもちしっとりとした食感の生菓子風もみじまんじゅうで、「ザ・広島ブランド」として認定されています。こしあん・粒あん・チーズクリーム・チョコレートなど多彩な味を展開。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町1165-2
📞 電話:0829-30-6777
紅葉堂 本店
明治45年(1912年)創業の紅葉堂は、100年以上の歴史を持ちながら常に新しいもみじまんじゅうの楽しみ方を提案してきた老舗です。同店が考案した「揚げもみじ®」は平成14年(2002年)に販売開始され、今では宮島観光で外せない新名物として定着しました。
揚げもみじはあんこ・カスタードクリーム・チーズの3種類で、竹串に刺した熱々の揚げたてを食べ歩き用に提供。サクサクの衣に溶けたチーズ餡の相性が抜群で特にチーズ味が人気です。その場でしか味わえない特別感があり「並んでも食べる価値あり」と評判です。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町448-1
📞 電話:0829-44-2241
元祖もみじ饅頭 博多屋
博多屋は明治初期創業で140年以上の歴史を誇る宮島屈指の老舗もみじまんじゅう店です。創業当初は宮島名物の杓子(しゃもじ)問屋として始まり、その後もみじまんじゅう作りに携わってきたというユニークな経歴を持ちます。
自家製の生地と餡にとことんこだわっており、ふんわりきめ細かなカステラ生地は和風の小豆餡や抹茶餡から洋風のチョコや桃餡まで相性抜群。職人が毎日丹念に生地を仕込み、餡も手間暇を惜しまず炊き上げています。店舗は表参道商店街側と海岸通り側の両方から入れる造りで、広い店内には喫茶スペースも併設。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町459
岩村もみじ屋
明治時代創業の老舗で、宮島でも最古参グループに入るもみじまんじゅう店です。販売する饅頭の種類はつぶあんとこしあんの2種類のみで、自家製の餡の美味しさに定評があります。
昭和初期に高松宮親王が宮島を訪れた際、「つぶあんのもみじまんじゅうを作ったらいいのでは」と助言を受けてつぶあん入りを開発したという逸話も。これが宮島にもみじまんじゅうのつぶあんが誕生したきっかけとされています。店は厳島神社出口から徒歩2分ほどの伝統的建造物内にあり、その場で焼きたてをいただくこともできます。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町中江町304-1
ミヤトヨ本店
宮島桟橋近くの表参道商店街入口付近に店を構えるミヤトヨ本店は、「チーズ入りもみじまんじゅう」発祥の店として知られています。昭和59年(1984年)に日本で初めてチーズ入りもみじまんじゅうを製造販売しました。
看板にも「元祖チーズもみじ饅頭」と掲げており、昔ながらの手焼き製法を守りつつ、新しい製品開発にも積極的。チーズの他にもブルーベリーやアップルなど多彩な味を展開しています。チーズもみじまんじゅうは電子レンジで軽く温めると一段と美味しいと評判。店内には焼きたてをいただけるスペースもあり、無料のお茶のサービスもあります。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町浜之町854-1
菓子処 きむら
宮島表参道商店街にある菓子処きむらは、元々洋菓子店として創業し後にもみじまんじゅうの製造販売を始めたユニークなお店です。和菓子のもみじまんじゅうに洋菓子の技法を取り入れており、生地にシフォンケーキ生地を用いることで日が経ってもしっとりフワフワ感が続くのが特徴です。
店頭のおすすめはアップルもみじまんじゅうとオリジナルチーズもみじまんじゅう。洋菓子店ならではのリンゴ餡やクリームチーズ餡が人気で、シフォン生地とバター風味のクリーム餡の組み合わせが絶妙です。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町592
だいこん屋
だいこん屋は宮島商店街の中ほどにある土産物店で、観光客だけでなく地元広島県民にも愛される店です。サービスや雰囲気の良さは宮島内のもみじまんじゅう店で一番との声もあります。
店内と奥庭に座席が用意され、もみじまんじゅうを購入すれば自由に休憩スペースを利用可能。店の奥には大きな鯉が泳ぐ池があり、外国人観光客が池を眺めながらお茶ともみじまんじゅうを楽しむ姿も見られます。宮島ではここだけで販売している「クリーム抹茶もみじまんじゅう」(1個100円)という限定商品が人気です。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町461-1
坂本菓子舗
表参道商店街の路地裏に佇む坂本菓子舗は、知る人ぞ知るもみじまんじゅうの名店です。季節限定の上品な餡が好評で、春にはさくら餡もみじまんじゅう、夏〜秋には宇治金時もみじまんじゅうなどを提供しています。
さくら餡もみじまんじゅうは一口食べると桜餅のような香りと風味が広がり、白手亡豆で作った白餡に刻んだ桜の葉を混ぜ込むことで高級和菓子のような味わい。チョコレートやキャラメル系とは一線を画す繊細な風味で、ご年配の方へのお土産にも大変喜ばれると評判です。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町455
津田清風堂
津田清風堂は明治41年(1908年)創業の非常に歴史あるもみじまんじゅうメーカーです。店頭ではもみじまんじゅうの他にソフトクリーム(300円)も販売しており、店内の休憩スペースは修学旅行生にも人気。
もみじまんじゅうのメニューはこしあん(80円)、ミルクあん、ミルクチョコ、ブルーベリー、黒ごま(各90円)など多彩に揃っています。中でも人気なのがミルクチョコレートもみじまんじゅうで、柔らかいミルクチョコ餡がとろっとした食感で甘く美味しいと評判。ブルーベリーもみじまんじゅうの爽やかな酸味も隠れた人気商品です。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町536-1
佐々木八重子の店
宮島ロープウェイ駅近くにある一風変わった土産物店。仏像や掛け軸を扱う店舗と、もみじまんじゅうなどの土産菓子を扱う店舗が道路を挟んで2軒並んでおり、大きな仏像や美術工芸品が店先に並ぶ異色の光景が目を引きます。
お菓子を扱う店内にはいきなり大きな池が設置されており、池で泳ぐ鯉を眺めながら買い物ができるユニークな演出。餡が入っていないもみじまんじゅう(餡無しもみじ)を扱っている点が珍しい特徴です。パッケージデザインにも力を入れており、宮島で一番オシャレとも評されるスタイリッシュな包装が若い女性にも好評です。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町南町389-2
鳥居屋
鳥居屋は近年登場した新感覚スイーツ「もみじ饅頭クロワッサン」の専門店です。もみじ饅頭をクロワッサン生地で包んで焼き上げたもので、揚げもみじのクロワッサン版とも言える食べ歩きスイーツ。1個税込200円で販売されています。
夕方になるとその日に作った分が売り切れていることも多く、作り置きを翌日に持ち越さず当日焼き立てのみ提供しているため、早めの時間に訪れるのがおすすめ。味はチョコレート、あんこ、クリーム、アップル、チーズ、レモンの6種類。焼き上げた生地には羽根つき餃子のようなカリカリの羽根が付いており、外はサクサク中は餡がトロリと溶ける新食感の美味しさです。
📍 住所:広島県廿日市市宮島町492
宮島口のもみじ饅頭店(3店)
宮島への玄関口である宮島口エリアにも、実力派のもみじまんじゅう店があります。フェリー乗り場周辺で購入できるので、島に渡る前後に立ち寄るのもおすすめです。宮島口から島へ渡るフェリーの選び方は、宮島フェリーで行く大鳥居と絶景クルーズ体験にまとめています。
高津堂
高津堂は宮島口エリアにあるもみじまんじゅうの元祖を名乗る老舗で、その歴史はもみじまんじゅうそのものの誕生に直結しています。1906年(明治39年)、宮島の旅館主だった高津常助氏が日本初のもみじまんじゅうを開発したとされ、紅葉形焼饅頭の意匠登録も行いました。
高津氏のもみじまんじゅうは商標登録されましたが、20年の存続期間満了後に更新されなかったため、以降宮島の各土産店が自由にもみじまんじゅうを製造するようになり、現在の20社以上ものメーカー乱立につながりました。店頭では夏季限定の冷やしもみじ饅頭が並び、試食の饅頭と温かいお茶でもてなしてくれる丁寧な接客も好評。5月からはラムネ味のもみじ饅頭など季節ごとの新風味にも挑戦しています。
📍 住所:広島県廿日市市宮島口西2-6-25
大伸堂
宮島桟橋のある宮島口エリアで営業する大伸堂は、国道2号線沿いに店を構える地元密着のもみじまんじゅう屋さんです。観光客にはさほど知られていませんが、地元では「宮島でもみじ饅頭を買うなら外せない」と評判の穴場的な名店です。
定番のつぶ餡・こし餡からチョコ、チーズ、クリームなどは1個65円(税込)と非常にリーズナブル。中でも人気なのがキャラメルもみじまんじゅうで、とろ〜り濃厚なキャラメル餡の甘さが多くの人を魅了しています。他にも栗餡の「まろんまろん」や瀬戸内レモン餡、イチゴミルク餡などバラエティ豊か。ばら売り購入の場合は焼きたての少し温かいもみじまんじゅうを提供してもらえます。定休日は火曜日。
📍 住所:広島県廿日市市宮島口1-4-10
岩村菓子舗
宮島口商店街の中央に位置する岩村菓子舗は、宮島島内の岩村もみじ屋と縁のある老舗和菓子店です。店舗の正面がガラス張りになっており、店頭で実際にもみじまんじゅうを焼き上げる実演製造の様子を間近に見ることができます。
販売している餡の種類は、伝統のこしあん・つぶあんに加え、クリーム、チョコレート、チーズなど複数揃っており、宮島島内の本店(つぶ餡・こし餡のみ販売)とは一味違ったバラエティを楽しめます。全てバラ売り可能なので、フェリーに乗る前に好きな餡を一つずつ買い求め、船上で食べ比べるなんて楽しみ方もできます。
📍 住所:広島県廿日市市宮島口1丁目5-13
▷ 島内に泊まると、朝から夜まで島で過ごせて、食べ比べもゆっくりできます。島内の宿は宮島のホテル・旅館23軒で比べています。
自分で焼く:もみじ饅頭作り体験
やまだ屋宮島本店と宮島伝統産業会館では、事前に予約すると、あんこを包んで生地をもみじの形に焼き上げる体験ができます。職人が手順を教えてくれるので、料理が苦手でも大丈夫です。焼きたてはその場で食べられます。