広島駅から宮島までは、実は行き方が4つあります。それぞれ所要時間・乗り換え回数・料金の水準・向いている人がまったく違うので、旅の目的に合わせて選ぶのが失敗のないコツです。この記事では、JR+フェリー/広電+フェリー/広島港からの高速船/レンタカー の4つを比較表にまとめ、そのあとに1つずつ「どんな人に向くか」を解説します。運賃や時刻は改定されることがあるため、この記事には書きません。それぞれの公式サイトで最新の情報をご確認ください。
先に決めるのは「何時に宮島に着きたいか」
4つの手段を比べる前に、決めておくと迷わなくなることが1つあります。それは 宮島に何時に着きたいか です。宮島側にはいくつか「間に合わないと諦めるしかないもの」があって、そこから逆算すると、広島駅を出る時刻が自然に決まります。
| 宮島でやりたいこと | 必要な時間 | 締め切りになるもの |
|---|---|---|
| 厳島神社の参拝だけ | 桟橋から徒歩10〜15分+参拝 | とくになし。午後からでも足りる |
| 大鳥居便(船から大鳥居を正面に見る) | フェリー約10分 | 宮島口発 9:10〜16:10 の便のみ。この間は15分おき |
| 弥山の山頂まで往復 | ロープウエー往復に約1時間+山頂まで往復さらに約1時間 | 上り最終 16:00・下り最終 16:30 |
| 紅葉谷公園・大聖院まで歩く | 桟橋から徒歩20分前後 | 日没(11月なら16時台から暗くなる) |
いちばん厳しいのは 弥山 です。ロープウエーの営業は9時から16時で、上りの最終が16時、下りの最終が16時30分。山頂まで足を伸ばすなら観光を含めて往復2時間ほどかかるので、遅くとも14時までにロープウエー乗り場に着いている 必要があります。桟橋から乗り場までの移動と参道の寄り道を入れると、宮島桟橋には13時台までに着きたい——つまり広島駅を昼には出ておく、という逆算になります。 桟橋から神社までの2本の道と歩き方は 宮島桟橋から厳島神社への歩き方 にまとめています。弥山の歩き方は 宮島・弥山完全ガイド にまとめてあります。
逆に、厳島神社の参拝と参道の食べ歩きだけなら、時間の縛りはほとんどありません。その場合に効いてくるのは時刻ではなく 潮 です。社殿が海に浮かんで見えるのは満潮の前後、大鳥居の根元まで歩けるのは干潮の前後で、同じ日でも数時間で景色が入れ替わります。行く日の潮位は 満潮と干潮で別世界!宮島の潮の見極め方 で確かめられます。行き方を決める前にこちらを見ておくと、「せっかく着いたのに海が引いていた」という失敗を防げます。
4つの行き方 比較表
| 行き方 | 所要時間のめやす | 乗り換え回数 | 料金水準 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| JR+宮島口フェリー | およそ40〜50分 | 1回(宮島口駅→フェリー乗り場は徒歩約5分) | いちばん安い部類 | 時間の読みやすさ・料金のバランス重視 |
| 広電+宮島口フェリー | およそ70〜80分 | 1回(広電宮島口→フェリー乗り場は徒歩すぐ) | やや安い | 路面電車で車窓を楽しみたい人 |
| 広島港からの高速船(瀬戸内海汽船 等) | およそ30分(広島港まで別途) | 2回(駅→広島港→高速船) | やや高め | 船旅を楽しみたい・帰りに広島港側で用事がある人 |
| レンタカー(宮島口の駐車場まで) | およそ40〜60分+フェリー時間 | 0回(車→フェリーは車両積載可) | 荷物・人数次第で最安〜高め | 大きな荷物・小さな子連れ・複数人の家族旅 |
1. JR+宮島口フェリー / 迷ったらこれ
広島駅からの定番ルートです。広島駅(山陽本線)→ 宮島口駅 → 徒歩約5分 → 宮島口フェリーターミナル → 宮島桟橋 の順で進みます。山陽本線は日中でも本数が多く、時間の読みやすさが利点です。宮島口からのフェリーはJR西日本宮島フェリーと宮島松大汽船の2社が運航していて、平常時はどちらもおおむね10〜15分間隔で出ています。乗り場も隣接しているので、時刻表を気にせず「先に来た方に乗る」形でも問題ありません。
初めての宮島観光で、時間・料金・乗り換えのしやすさをバランスよく取りたい人には、この方法をおすすめします。最新の時刻・運賃は JR西日本宮島フェリー公式、宮島松大汽船公式、JR区間は JRおでかけネット で確認できます。
JR宮島口駅からフェリー乗り場までの道(階段を使わずに行けます)
「徒歩約5分」と書きましたが、初めてだと不安な区間です。道順は単純で、改札を出て右へ進み、左手のスロープを降りて地下道に入り、エレベーターで地上に上がって、横断歩道を渡ると宮島口桟橋 です。このルートは全区間で階段を使わずに済むので、車椅子・ベビーカー・大きなキャリーケースでもそのまま通れます。駅の案内表示に「フェリー」のマークが出ているので、それを追っていけば迷いません。
注意するのは横断歩道の1か所だけです。観光客と車の往来が多い時間帯があるので、信号と左右の確認をしてから渡ってください。雨の日は、アーケードや庇がつながっている区間が多く、思ったより濡れずに歩けます。乗船前後の様子は 宮島フェリーで行く大鳥居と絶景クルーズ体験 で写真つきで見られます。
2. 広電(路面電車)+宮島口フェリー / 車窓と街を楽しむ
広電(広島電鉄)は、広島駅から 広電宮島口駅 までを直通で走る路面電車です。所要時間はJRより長く1時間強かかりますが、途中で 原爆ドーム前・八丁堀・紙屋町・市内中心部の繁華街 を通り抜けるため、広島の街並みを車窓から見られます。「宮島だけでなく、広島の街もついでに眺めたい」という人には向く選択です。
広電宮島口の停留所はフェリー乗り場のすぐそばにあり、乗り換えは迷うことがありません。時刻・運賃は 広島電鉄公式 で確認できます。
3. 広島港からの高速船 / 船旅を最初から楽しむ
広島駅からいったん 広島港(宇品港) まで移動し、そこから 高速船(瀬戸内海汽船 等) で宮島桟橋へ直接向かうルートです。宮島口を経由しないため、乗り換えは駅→広島港の1回と、広島港での乗船の1回で計2回になります。ただし本数はJR+宮島口フェリーに比べて少なく、料金もやや高めです。
それでもこのルートが選ばれる理由は、広島湾を横切って宮島に着く体験そのもの にあります。海側からの宮島の眺めは、宮島口フェリーの短い航路とはまた違う印象です。帰りに広島港側で用事がある人、日帰りではなく船を旅程の一部にしたい人におすすめします。運航状況は 瀬戸内海汽船公式 で確認できます。
宮島口のフェリーは2社ある。どちらに乗るか
JRでも広電でも、宮島口まで来たら最後はフェリーです。ここで JR西日本宮島フェリー と 宮島松大汽船 の2社から選ぶことになります。乗り場は隣どうし、所要時間はどちらも約10分、運賃も同じです。違うのは航路の取り方と、セット券の種類です。
JRは「大鳥居便」、松大汽船は「最短で直行」
JR西日本宮島フェリーには 大鳥居便 があります。これは大鳥居に最接近して旋回する航路で、海の上から 大鳥居を手前に、厳島神社を正面に 見られます。運航しているのは 宮島口発 9:10〜16:10 の便で、この時間帯は15分おきに出ています。写真を撮るなら進行方向の右側に立ってください。ただし接近できるかは潮位によりますし、高潮などで安全上ルートが変わることもあるので、当日の案内で確かめるのが確実です。
宮島松大汽船は最短距離をまっすぐ結ぶ航路で、そのぶん待ち時間を抑えて島に入れます。行きはJRの大鳥居便で景色を取り、帰りは松大汽船で時間を詰める——混雑する時期はこの組み合わせが実用的です。船内の設備も、松大汽船の「安芸」なら車椅子優先スペースとバリアフリートイレ、2階にコンセント付きのカウンター席があります。
運賃と、往復で買うと得になる券
以下は 2026年9月時点 の金額です。運賃は改定されることがあるので、行く前に各社の公式サイトでご確認ください。
| 何を | 金額 | メモ |
|---|---|---|
| フェリー 大人 片道 | 200円(往復400円) | 2社とも同額 |
| フェリー 小人 片道 | 100円(往復200円) | 同じく2社とも同額 |
| 宮島訪問税 | 100円 | 令和5年から。大人は往復+訪問税で合計500円 |
| エンジョイチケット(松大汽船) | 大人2,100円/小人1,100円 | フェリー往復(訪問税込み)+ロープウエー往復。大人で約400円お得 |
| 宮島お得じゃ券(松大汽船) | 公式で確認 | フェリー往復にスイーツ引換券や200円のお買い物券が付く |
支払いは現金のほか、交通系ICカード(ICOCA・Suica・PASMO など) が両社で使えます。広島駅からJRで来るなら、そのままICカード1枚で桟橋まで通せる形です。
選び方は単純で、弥山まで上がる予定があるならエンジョイチケット、島内で食べ歩く予定なら宮島お得じゃ券、どちらも決めていないなら普通に往復券。セット券の中身は 宮島ロープウエーと松大汽船お得旅ガイド にまとめてあります。
4. レンタカー / 荷物や小さな子連れに
広島駅前でレンタカーを借り、山陽自動車道を経由して宮島口の駐車場まで走るルートです。 島でキャンプ道具を積んで来ることを考えている方は 広島の宮島にキャンプ場は無い もあわせてご覧ください。所要時間はおよそ40〜60分(渋滞なしの場合)で、駐車場に車を置いてから、宮島口フェリー乗り場に徒歩で向かいます。車両ごとフェリーに載せることも可能ですが、宮島島内は車の通行に制限があるため、通常は宮島口の駐車場に置いてフェリーで渡る ほうが動きやすいです。
宮島口周辺の駐車場は、シーズンや土日祝日にはかなり混みます。朝の早い時間帯(9時前) に到着するのが確実です。小さなお子さん連れ、ベビーカーや大きな荷物を持っての移動、あるいは4人以上のグループでは、公共交通より快適な選択肢になります。
宮島口の駐車場は、着く前に決めておく
車で来るときにいちばん時間を落とすのは、運転ではなく 駐車場探し です。目的地を1つ決めておくだけで、当日の迷いがなくなります。分かりやすいのは 三井のリパーク宮島口旅客ターミナル駐車場(広電宮島口駅の北隣)で、フェリー乗り場まで 徒歩約3分。自走式の立体駐車場なので、屋内をぐるぐる上がるだけで空きを探せます。EV充電器が5台、車椅子利用者向けの区画も5台分あります。
| 時間帯 | 平日 | 土日祝・特定日 |
|---|---|---|
| 7:00〜17:00 | 30分 200円(当日最大1,200円) | 30分 300円(当日最大1,600円) |
| 17:00〜7:00 | 60分 100円(最大400円) | 60分 100円(最大400円) |
お盆や年始などのハイシーズンは、平日でも「特定日」の料金になります。金額は変わることがあるので、行く前に公式サイトで確認してください。設備や場内の様子は 三井のリパーク宮島口旅客ターミナル駐車場情報 に詳しく書いています。
混む日と、混雑をかわす小ワザ
宮島口の駐車場は、平日ならほぼ問題なく停められます。荒れるのは土日祝とハイシーズンで、とくに 3月下旬から4月上旬の春休みが年間でいちばん混みます。お盆の時期 も車が増えるので、公共交通で行ったほうが確実です。なお8月14日にあった宮島水中花火大会は2019年を最後に終了しており、この日だけの特別な混雑はもうありません。
- 海側から満車になる。フェリーターミナルに近い駐車場から埋まっていき、国道2号や県道からの合流で渋滞が起きます。混む日は最初から 山側 を目指すと、かえって落ち着いて歩けます
- 家族を先に降ろす。ターミナルで同乗者を降ろし、運転する人だけが駐車に向かう形にすると、待ち時間が重なりません
- 帰りの便を先に決める。出庫のピークを外せます。平日なら 14時〜16時 がいちばん空いていて、スムーズに出られます
- 朝の早い時間に寄せる。9時前の到着なら、シーズン中でも選べる余地があります
どのルートを選ぶかの目安
- 初めての宮島・時間もお金もバランス重視 → JR+宮島口フェリー
- 広島の街並みも楽しみたい・時間に余裕がある → 広電+宮島口フェリー
- 船旅を旅程に組み込みたい・広島港側で用事がある → 広島港からの高速船
- 小さな子連れ・大人数・大きな荷物 → レンタカー+宮島口の駐車場
宮島口で待ち時間が出たら
フェリーは日中おおむね10〜15分間隔なので、待ち時間で困ることはあまりありません。それでも早く着きすぎたときや、帰りの列車まで間があるときは、乗り場のすぐ横にある etto(エット) で時間を使えます。広電宮島口駅から徒歩約1分、JR宮島口駅からも徒歩3分で、お土産店とレストランが16店入っています。1階が瀬戸内の名産とカフェ、2階は全席オーシャンビューのダイニングです。
助かるのは フェリー乗り場と屋根付きの動線でつながっている ことで、雨の日でもほとんど濡れずに行き帰りできます。Wi-Fiと USB 電源つきの休憩スペースもあるので、船を待ちながらスマホを充電しておくのに向いています。広島土産をまとめて買うなら、島内で荷物を増やさずに帰りにここで買う、という段取りも取れます。館内の様子は 宮島口の新名所!観光とグルメが楽しめるetto にまとめています。
宮島に着いてからは
どの手段を選んでも、最終的には 宮島桟橋 に到着します。そこから厳島神社までは徒歩でおよそ10〜15分、参道商店街を歩く形になります。道は海沿いと商店街の2本に分かれていて、どちらを通っても同じくらいの時間で着きます。海沿いは大鳥居を眺めながら歩けるので、潮が満ちている時間に着いたならこちら。商店街(宮島表参道商店街)はもみじ饅頭の焼きたてやあなご飯の店が並ぶので、食べ歩きをするならこちらです。行きと帰りで1本ずつ使い分けると、同じ道を2回歩かずに済みます。参拝そのものの見どころは 宮島・厳島神社の魅力と楽しみ方ガイド にまとめています。行程に紅葉やもみじ饅頭を組み合わせるなら もみじ饅頭のおすすめ店ガイド、紅葉シーズンに行くなら 宮島の紅葉 見頃と混雑を避けるコツ も合わせて参考にしてください。
泊まるなら、島内か対岸か大鳥居便と弥山の両方に行くなら、日帰りは朝が早くなります
この記事で逆算したとおり、弥山の山頂まで往復するなら14時までにロープウエー乗り場、宮島桟橋には13時台、広島駅は昼までに出ておく必要があります。いっぽう船から大鳥居を正面に見る大鳥居便は、宮島口発9:10〜16:10の便だけです。
日帰りで大鳥居便と弥山の山頂を両方入れると、広島駅を朝早く出て、島の中でも時計を見ながら動くことになります。潮の良い時間に大鳥居を見たい日は、時刻の自由がさらに減ります。
島内に泊まれば、1日目は大鳥居と神社、2日目の朝に弥山、と分けられます。ただし島内は宿数が限られ、料金は上がります。
対岸(宮島口)に泊まるなら、翌朝は広島駅からの移動なしでフェリーに乗れます。宮島口駅からフェリー乗り場までは徒歩約5分。費用も抑えやすい形です。
行く日が決まっているなら、先に空室だけ見ておくと、日帰りにするか泊まるかをその場で決められます。
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よくある質問
広島駅から宮島まで、結局どれくらいかかりますか?
いちばん早いJR+宮島口フェリーで、おおむね40〜50分 です。内訳は広島駅から宮島口駅までのJR、宮島口駅からフェリー乗り場まで徒歩約5分、フェリーが約10分。桟橋から厳島神社まで歩く時間を入れると、家を出てから参拝までは1時間前後と見ておくと安心です。広電を使うと1時間10〜20分ほどになります。
何時までに広島駅を出れば、弥山まで行けますか?
ロープウエーは 上り最終16:00・下り最終16:30 で、山頂まで往復すると観光を含めて2時間ほどかかります。逆算すると 14時までにロープウエー乗り場に着く のが目安で、宮島桟橋には13時台、広島駅は昼までに出る形になります。
交通系ICカードは使えますか?
フェリーは2社とも ICOCA・Suica・PASMO などの交通系ICカードが使えます。JR区間もそのまま乗れるので、広島駅からICカード1枚で宮島桟橋まで通せます。
宮島訪問税は別に払うのですか?
フェリー運賃とは別に 100円 かかります(令和5年から)。大人はフェリー往復400円+訪問税100円で合計500円です。松大汽船のエンジョイチケットのようなセット券には訪問税が含まれているものもあります。
大鳥居便に乗るには、どうすればいいですか?
宮島口でJR西日本宮島フェリーの乗り場を選び、宮島口発 9:10〜16:10 の便に乗ってください。この時間帯は15分おきに出ているので、時刻表を細かく調べなくても待てば来ます。船に乗ったら進行方向の右側へ。ただし大鳥居に近づけるかは潮位によって変わり、高潮のときは安全のためルートが変わることもあります。松大汽船の乗り場は隣ですが大鳥居便はないので、乗り場を間違えないようにしてください。
雨の日はどの行き方がいいですか?
JR+宮島口フェリー がいちばん濡れません。宮島口駅からフェリー乗り場までは地下道とエレベーターを通る屋内寄りのルートが取れて、乗り場に隣接する etto も屋根付きの動線でつながっています。逆にレンタカーは、雨の日ほど宮島口周辺の渋滞が伸びやすい点に注意してください。
まとめ
広島駅から宮島までの行き方は、「乗り換えを最小にしたいならJR+宮島口フェリー」「街を見たいなら広電」「船を楽しみたいなら広島港からの高速船」「荷物や家族が多いならレンタカー」——この4つの中から、旅の目的に合わせて選ぶのが失敗のないコツです。当日の混雑や運休情報はそれぞれの公式サイトで直前に確認してから、良い一日をお過ごしください。